裸眼視力と矯正視力

裸眼視力と矯正視力

私たちは、普段の会話の中で「目が良い」とか「目が悪い」とか言いますが、多くの場合、目の病気の有無ではなく、「見え方」のことを指しています。「あなたの目は良いですか?」と聞かれると、多くの人は「見え方」の良し悪しを答えます。恐らく、目に関しては「見え方」に多くの関心を持っているためと思われます。
「見え方」には、裸眼視力、矯正視力、近見視力、遠見視力などの種類がありますが、日常会話で視力の種類を区別して話すことは普通ありません。視力の種類を区別して会話するのは、職業柄、眼科医かメガネ屋さんくらいだと思います。
視力の種類を区別するのは、どの視力が良くて、どの視力が悪いのかを知ることで、視力低下の原因を大まかに予想することが出来るからです。
例えば、AさんとBさんが最近「見え方」が悪くなり、メガネ屋さんに行ったとします。Aさんの裸眼視力は0.7で、Bさんは0.1でした。「目が良い」のはAさんと思われがちです。しかし、Aさんの矯正視力は0.8で、Bさんは1.2でした。メガネ屋さんは、Bさんには眼鏡を作ることを勧めますが、Aさんには眼科で診察を受けることを勧めます。何故なら、Bさんは近視や遠視で裸眼視力が低下しただけと判断し、Aさんは近視や遠視の他に白内障などの治療が必要な異常があると判断したからです。異常が何かという事は、眼科で診察しないと分りませんが、こうなると、AさんはBさんより「見え方」は良くても、「目が悪い」と言う事になります。
多くの方は、「見え方」の良し悪しを裸眼視力で判断し、「目が良い」とか「目が悪い」と考えてしまいますが、実際は矯正視力から「目」の良し悪しを判断する方が正確です。もちろん、矯正視力だけで「目」の良し悪しを判断することは出来ませんが、病気の早期発見には有効です。
年齢的に目が心配と言う方は、年に1回位は眼科で目の健康診断と称して矯正視力を測っておくことをお勧めします。